本発表では、とりたて詞「も」の意味機能を、人間が日常的に行っている「知識や情報の管理」「推論における新情報の創出」といった側面から考察した。本発表で提起した具体的な問題は次の2点である。 (1) a. モを含む文は「影(shadow sentences)」がなければ不自然となってしまうが、なぜ影を持たなければならないのか。 b. そもそも、影を必要とする言語形式がなぜ存在しなければならないのか。また、そのような言語形式が存在することにより、言語使用上、どのようなメリットがあるのか。 まず、(1a)につ